アジア石油製品=11月18~22日:北東アジア積みガソリンは弱含み、需要不振で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。需要不振が相場を下押した。アジアの最大輸入国であるインドネシアの需要が振るわない。また、シンガポールのペーパー取引で12月と1月限の期先安が1.50ドルまで拡大している。これも12月下旬積みの相場に下押し圧力を強めた。中国石油1社は20日、12月28~29日華南積みの92RONガソリンMR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し小幅なディスカウントと伝えられた。他の中国石油1社も20日、12月末華南積みの92RONガソリン25~30万バレルの販売入札を締め切ったものの、成約の情報は寄せられていない。
ナフサ このところ、石油製品のクラックマージンが軒並み悪化しており、採算性から欧州やシンガポールなどの製油所稼働率が引き下げられている。一方、定修後に稼働再開となる製油所も多く、供給は増加基調にあるとの見方も強い。ナフサ市況にとって弱材料との指摘も聞かれる。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は、供給引き締まり観測を受けて強含んだ。当初の見込みより中国からの12月積みカーゴの販売数量が少ないもよう。これまでの相場の割安感もあって、取引価格が切り上がっているようだ。市場関係者によると、日本の元売り1社が12月中旬積みMR船型1カーゴの0.001%S軽油を販売。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し30セントのディスカウントという。一方、韓国石油1社も12月上旬積みMR船型玉を販売。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し70~80セントのディスカウント。この成約については、「期近積みのため割安に成約されたとみられる」(市場関係者)との見方が強い。
重油 韓国積み3.5%S重油(380cst)の市況連動相場は下落。このところシンガポール重油市場で、380cst品の同市況対比のディスカウント幅が拡大していたことを受けた。韓国では、一定の国内向けバンカー需要はあるものの、輸出向け高硫黄重油カーゴの需要は弱い。韓国石油会社によると、「韓国積み3.5%S重油(380cst)の成約可能な水準は、シンガポール市況(380cst)に対し15.00ドル程度のディスカウントまで下落している」という。
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