電力=11月18~22日:小幅続伸、気温低下受け需要積み増し
卸電力の市場価格は小幅の続伸。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(11月18~22日)、平均でみると前の週に比べ東日本が1kWh当たり(以下同)の0.40円高(4.4%上昇)の9.51円、西日本が同0.15円高(2.0%上昇)の7.62円だった。広範囲で予想気温が平年を下回るなどして、全体的には暖房需要が積み上がりやすくなったもよう。ただ、東日本の中では局地的に高騰していた北海道地域が下がったほか、西日本も太陽光発電からの供給が潤沢で、価格上昇に弾みが付きい面もあった。東日本と西日本の中心値の格差は1.89円と、前の週の1.64円から若干広がった。
日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場では、東日本のうち東京と東北地域の24時間の平日平均が9.41円と前の週より0.66円高くなった。一方、高騰が続いていた北海道地域は同2.69円安の10.67円へと下落し、東京・東北との価格差も1.26円と、前の週の4.61円から大幅に縮小。東京の予想気温はほかの都市より、比較的高めの水準を維持した。電力の大消費地では暖房需要の急激な強まりにはつながりにくかったと考えられる。東北の仙台は、20日の予想最高気温が9度とされるなど、下振れする日があった。北海道は寒気にさらされたが、供給体制の安定化により、極端な上振れ分がはく落した可能性が高い。北海道では、7日に停止した出力57万kW級のガス火力1基が19日に運転を再開した。 西日本でも20日の予想最高気温が広い地域で15度以下に落ち込むなど、寒気の強まる日があった。ただ、天候には比較的恵まれ、太陽光発電からの供給は高水準を維持したとみられる。18日や22日は各地で天気の崩れが予想されたが、予想気温が高くなったため、需要の伸び悩みで、価格に対する上昇圧力は結局、限定的だったとみられる。JEPX取引の四国では0.01円が19~21日受渡の一部時間帯で付け、九州でも20~21日受渡の一部で付けた。
日本卸電力取引所(JEPX)のスポット取引(1日前市場)では、18日から22日受渡のシステムプライス・24時間の平均が前の週より0.52円高(6.5%上昇)の8.49円だった。同期間の1日平均の約定量は約8億300万kWと、前の週より3,500万kW(2.7%)増えた。
電力レポート試読申込(クリック) |