海外=レプソルがGHG排出量ゼロへ、イケアが船舶用バイオ燃料試験
スペインのレプソルは12月2日、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を「すべての事業活動でゼロ、大半の製品でゼロにする」と発表した。目標の達成には約58億ドルの投資が必要とされる。
家具量販イケアの物流部門であるイケア・トランスポート&ロジスティックス・サービシズとフランスの海運会社CMA CGM、グッドシッピングは11月末、バイオ燃料を使用した航行試験に成功したことを明らかにした。オランダのグッドフューエルズが製造するバイオ燃料を2船に使用した。また、今年9~10月にかけてコンテナ船「CMA CGMアレクサンダー・フォン・フンボルト」が北欧州-アジア航路で試験航海を実施したという。
アブダビのマスダールは11月末、アルメニアの政府系ファンド「アルメニアン・ナショナル・インタレスト・ファンド」(Anif)と、太陽光発電プロジェクトに合意したと発表。発電能力は400メガワット(MW)で、投資額は最大で3.2億ドルとなる見通し。1基目の太陽光発電プラント(200MW)はアルメニア西部に建設が予定されている。
オーストリアの鉄鋼メーカーであるボエスト・アルパインがリンツに保有するサイトで、世界最大級のカーボンニュートラル水素製造パイロットプラントが稼働した。パイロットプラントの電気分解装置に再生可能電力を使用している。当該プラントはボエスト・アルパインのほか、オーストリア最大の電力会社であるフェアブント、独シーメンス、オーストリアン・パワー・グリッドなどで構成される「H2FUTURE」と呼ばれるコンソーシアムのプロジェクトで建設されたものだ。製鉄プロセスにグリーン水素を供給することを目指す。ボエスト・アルパインが11月半ばに発表した。
米国、ブラジル、英国の研究チームが、ゼオライト系触媒を使用してリアクター1基でエタノールから炭化水素を生産するプロセスを開発した成果を専門誌に発表した。生成物はパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、アロマで、石油系と比較して温室ガス(GHG)排出量を最大で96%削減できるという。研究チームは、ダートマス・カレッジ、ペンシルバニア州立大学、ボーイング、UCリバーサイド、米連邦航空局(FAA)、英国のインペリアル・カレッジ、ブラジルのバイオエタノール科学技術センター(CTBE)などで構成される。