シンガポール=10月のバンカー重油販売量、前年同月比10.2%増の415万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、10月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が415万2,400トン(速報値)だったと発表した。前年同月比で10.2%(38万4,700トン)増加した一方、前月比では1.5%(6万5,200トン)減少した。
高硫黄380cst重油は100万5,800トンと前年同月比124万9,900トン減少したが、前月比では12万9,900トン増加した。欧米で重油生産が大幅に減少したことを受け、高硫黄重油とVLSFOの輸出量が低水準で推移している。輸送コストの高騰や供給コスト削減のため、世界的にHSFO供給者が大幅に減少し、安定供給が可能なシンガポールに需要が集中したもよう。
硫黄分0.5%・180cstは1万500トンと前年同月比10万トン、前月比5,800トンそれぞれ減少した。硫黄分0.5%・380cstは223万3,500トンと前年同月比177万4,200トン増加した一方、前月比では5万2,300トン減少した。また、硫黄分0.1%のLSMGOは32万8,400トンと、前年同月比3万4,500トン増加した一方、前月比では3万4,400トン減少した。
原油先物の値上がりから、主要な取引商品であるVLSFO価格は前月から上昇した。これを受け、割安で提供可能な港に需要が分散しているようだ。ただし、販売数量は前年同月比に比べ上昇したことから、「引き続き利便性や供給能力といった利点を求める船会社からの需要が底堅い」(市場関係者)。
リム情報開発の調べでは、同港での10月の平均VLSFO価格は332.09ドルと、前月の323.36ドルと比べ8.73ドル上昇した。