日本郵船=豪州のカーボンクレジット社へ出資
日本郵船は21日、三菱商事を株主に持つ豪州のAustralian Integrated Carbon(AIC社)に出資すると発表した。AIC社は原生林再生プロジェクトを通じ、二酸化炭素の吸収とカーボンクレジットの販売を手掛けている。船舶業界では、水素やアンモニアなど次世代のゼロエミッション燃料の研究開発が進んでいるが、ライフサイクルが20年程度と長い船舶は、ゼロエミッション燃料の実用化後も、燃料への移行過程で、引き続き化石燃料の使用を余儀なくされる船舶が残ることが見込まれる。将来的にゼロエミッション燃料の導入が未済の船舶が残された場合、カーボンオフセット手法を活用することでGHG排出量をネットゼロにすることが想定される。このため、カーボンクレジット創出ビジネスの経験とノウハウを獲得し、世界の船舶のGHG排出量のネットゼロ化を支援することが、出資参画の目的だという。
AIC社の原生林再生プロジェクトは、過去の伐採や過放牧によって消失した原生林の再生を促すもの。農家の牧畜プロセス見直し・改善を通じて原生林を再生し、大気中のCO2を吸収・固着することで、豪州政府が公式に認証するカーボンクレジットを獲得、販売する。AIC社は、ポートフォリオの拡大を通じて、将来的に世界のCO2排出量を1億トン削減することを目指している。 豪州政府は、2015年以降合計45.5億豪ドル(約3549億円)を拠出してカーボンクレジットの買い取り制度を確立。同オークション市場における取引量は、2020年には年間約1600万トンに達している。 【同社HPより スキーム】
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