新春特集=原油相場、注目材料は何か
2021年の原油相場に影響を与えそうなトピックはなんだろうか。
上野剛志上席エコノミストはコロナワクチンの効果と普及具合を挙げている。どのくらいの効果と普及のスピードがあるのかを焦点とした。また、OPECプラスの減産動向として減産縮小のスピードとOPECプラス離脱の動きの有無も気になるという。同氏は「スピード」をキーワードに挙げている。
大越龍文シニアエコノミストも同様、ワクチンや治療法の普及事情を注目材料とした。2021年後半にワクチンの普及段階に入れば、2022年には原油需要の回復が強まると想定される。この場合、それに向けた価格形成が2021年中に始まる可能性が強まるという。一方、供給面では、OPECプラスの協調が続くか否か、協調が維持される可能性は高いものの、協調が崩れて各国が増産に向かうと原油価格は下落しかねない。イランやリビアの増産可能性を踏まえ、協調を維持できるかを注目しているという。
匿名アナリストもワクチンの実用化と普及による世界経済の回復、さらに石油需要の回復期待を挙げた。2021年上半期はワクチン接種が十分に行き渡らないため、石油需要は不安定な状態が続く公算が大きい。ただし、2021年後半にワクチン接種が普及し、経済成長の回復とともに石油需要が持ち直し、石油需給が引き締まるとの期待感が高まった場合、足元では必ずしも石油需給が引き締まっていないにもかかわらず、先高期待が先行して相場が上昇する可能性も出てくるだろう。
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