11日 原油は続伸、利下げ観測の強まりと需給逼迫を意識
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は前日終値と比べ69セント高の82.79ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(9月限)は同73セント高の85.81ドル/バレルと、いずれも続伸している。 11日アジア時間午前の原油相場は堅調。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは、「10日欧州時間に始まった上昇の流れの延長線上にある」と指摘した。米国の政策金利引き下げ観測の強まりと、エネルギー需給の引き締まりが意識されているという。 吉田氏によると、金利引き下げにより個人や企業が資金調達しやすくなる。経済活動が活発化し、原油需要が増加するとの道筋が描かれている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日の議会証言で、「インフレ率が目標の2%に到達するのを待つ必要はない」と発言。9月の利下げ開始観測が広まった。 需給の引き締まりも強材料として働いている。米エネルギー情報局(EIA)が10日に週報を発表。先週末時点で、原油在庫は340万バレル、ガソリン在庫は200万バレルそれぞれ減少した。いずれも2週連続の減少。吉田氏は、「原油は1,200万バレル以上取り崩された前週から、さらに減少した。夏のドライブシーズンに入っており、製油所の高稼働はしばらく続くと見込まれる」と述べた。 日経平均株価は前日比354円91銭高の4万2,186円90銭で推移している。ドル円相場は1ドル=161.58円と、前日17時時点(161.50円)からドル高・円安方向に振れている。
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