中国=スチレンモノマー相場の見通し
中国のスチレンモノマー(SM)市場は強弱まちまちの材料が見られ、先行きに不透明感がある。原油の値動きやSM新規設備の稼働状況、誘導品の需給バランスなどが影響すると見られる。原油の値動きが荒いうえ、新型コロナウイルスの感染が再び広まり、米国や中国の製造業の活動が停滞している。世界的に景気回復に不透明感が強まっている。一方、SMの原料であるベンゼン市場では、新規設備の立ち上げで供給が増えており、相場が弱含んでいる。SMの原料コストは下がっている。
供給面では、8月以降にこれまで定修のため停止していた設備が続々と再開し始めているうえ、古雷石化の新規SM設備(年産60万トン)が8月中に立ち上がる予定であるため、一段と増える傾向にある。加えて台風の影響で入港が遅れていた輸入品が荷下しされており、華東地域ではSMの在庫が増えている。
需要面では、季節的に不需要期を迎えているうえ、複数の誘導品設備が定修入りしており、SMに対する引き合いが乏しい。しかし、これらの設備は8月以降に再開する予定であるため、先行きは需要が回復すると見られている。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.