中国=アジアのSM相場は11月以降も堅調の見通し
アジアのスチレンモノマー(SM)相場は、需給引き締まり感から強基調が続く。誘導品設備の稼働率が高水準に維持されている一方、SM設備は定修が多い。
供給面では、米国のCosmar、韓国のSKGC、シンガポールのShellが足元で定修を実施しているうえ、イタリア、ベルギー、日本などで計約179.5万トン/年のSM設備で10月まで定修を実施していた。このほか、ドイツのTrinseoの年産30万トンのSM設備が閉鎖となる見通し。これらを背景に供給タイト感が続いている。
中国では、TangshanXuyangの年産30万トン設備が10月25日に試運転を始めたほか、Abelの年産25万トンの設備が10月末に再開した。11月以降も中国国内のSM設備は高稼働率を維持する見込みだ。中国国内のSM供給は潤沢に見えるが、上述のとおり輸入品が少ない一方、輸出向けの需要が堅調に推移しており、需給に引き締まり感がある。上海Seccoの年産65万トンの設備は11月15日から45日間、Shuangliangの年産21万トンの設備も11月4~5日から45日間の予定で定修入りしたものの、多くの誘導品設備の稼働率が高水準となっており、SMに対する買い気が強い。
誘導品設備では、3基の新規EPS設備が年内に稼働する予定であるうえ、ABSメーカーの稼働率は12月まで高い水準を維持するとみられる。
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