中国=PP相場、8月以降に設備の定修明けで下げ基調へ
中国=PP相場、8月以降に設備の定修明けで下げ基調へ
中国国内の新型コロナウイルスの感染がほぼ収まるなか、ポリプロピレン(PP)相場は8月以降に下げ基調に転じる可能性がある。今後、定修を終えた設備が再稼働し、供給が増加する見通しのためだ。
これまでPP先物相場が上げ基調で推移してきたのは、原油をはじめ原料コストが高くなっていることに加え、設備の定修が多く、供給にタイト感が強まったことが背景にある。6月末~7月中旬にPP設備の定修入りが集中し、約384万トン/年相当が稼働停止となった。これにより、7月まで国内のPP供給にタイト感が強まっていた。ただし、これら設備は7月末~8月中旬に再開する見通し。これに伴い8月のPP供給が大幅に増加すると見られる。このほか、先行き宝来石化(Baolai PC)、龍油化工(Longyou chemical)など新規設備が立ち上がる予定であることも供給潤沢感を強めている。
需要面では、7月中旬以降に誘導品メーカーの稼働率が低下し始めており、PPに対する買い気が後退している。また、中国政府が環境保護対策として2020年末から飲食用のストローの使用を一部地域で禁止する予定。いまのところ、国内のPP在庫が38.74万トンと低い水準にあることを受け、価格は大幅に下落はしていないものの、先行きPPの在庫が積み上がる可能性があり、相場の基調が弱まるとの見方がある。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.