東南アジア=天然ゴムの生産回復に遅れ
東南アジアで新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が収束に向かい、天然ゴムの生産が再開しつつある。ただ、多くの国では依然として経済活動が停滞しているうえ、悪天候の影響でゴムの収穫もできていない。このため、4~6月期の天然ゴム生産量は前年同期比より減少する見通しだ。
国別では、タイ、マレーシア、ベトナム、カンボジアで新型肺炎の感染者が5月に入り1桁に減った一方、インドおよびインドネシアでは依然として事態が深刻だ。
タイでは、一部地域の経済活動が回復し始めており、4月下旬から天然ゴムの収穫時期に入っている。ただし、悪天候の影響で収穫量が多くない。6月以降、正常に回復する見通し。一方、マレーシアの生産は正常とおりとなっているが、新型肺炎の影響で数量が限られている。インドネシアでも新型肺炎の影響で経済活動が制限されており、天然ゴム産業への影響が大きい。同国の天然ゴムは主に欧米に輸出されているが、欧米市場でも新型肺炎の感染が続いており、短期間での需要回復が難しいと見られる。
このほか、ベトナムとカンボジアは4月下旬から生産を再開したが、5月に入り悪天候が続き、ゴムの収穫ができず、原料供給にタイト感が出ている。供給引き締まり感が強く、アジアの天然ゴム先物相場が堅調に推移していた。
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