記者の眼記者の眼

第251回 (2024年6月26日)

 5月半ば、東京・虎ノ門ヒルズで開催された"「ティファニーワンダー」技と創造の187"へ行ってきた。米国の宝飾品ブランドであるティファニーの創業当時から現代までの数々のマスターピースが展示されていた。

 

 私の目当ては、世界三大時計の1つとされるパティックフィリップの「ノーチラス」とのコラボ時計である。ノーチラスは時計界のピカソと称されるデザイナー"ジェラルド・ジェンタ"の代表作。エントリーモデルで定価は500万円くらいであるが、今なお絶大な人気を誇る。

 

 2021年の発表当時、文字盤がティファニーブルーで彩られたノーチラスは世界に衝撃を与えた。世界限定170本。定価は52,635ドル(約597万円)だった。このうち、1本がNYで開催されたチャリティーオークションに出品された。予想落札価格は5万ドルだったが、驚くべきことに6503500ドル(74650万円)まで暴騰したのだ。

 

 最近、ロレックスなど高級時計の定価は為替変動や原価高騰により軒並み上昇傾向であるが、私が携わっているエネルギー業界でも、同様に市況が上昇している。なかでも「思わぬ高値」と言えば、やはり電力価格であろう。今夏は猛暑が襲来すると予想されているが、6月現在で大幅に梅雨入りが遅れ、すでに各地で汗ばむ陽気である。電力スポット価格もじわじわと上昇傾向であり、市場でも警戒感がくすぶっている。

 

 今年は爽やかな夏を迎えて、丸の内のティファニー前で朝食をとりたいが、でんき予報を見る限り、その可能性は低そうだ。

 

( 青山 )

 

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