記者の眼記者の眼

第247回 (2024年5月29日)

 民間のある人口推計調査によると、日本の2030年時点の生涯未婚率は男性で約30%、女性で約25%になるという。さらに50年時点では男性で約4割、女性で約3割に上るという予測もある。

 

 生涯にわたって結婚をしない背景には人それぞれの事情があるはずだが、調査の結果を見て、最近、自分が友人や同僚に結婚や育児の良さを語っているのは、いわゆる「マリハラ」に当たるのではとハッとした。ちなみに「マリハラ」とは、「マリッジハラスメント」の略で、独身者に対して結婚を無理に勧めたり、結婚しない理由を聞きだしたりすることを指すようだ。

 

 いまの世の中、「○○ハラ」を挙げ出したらキリがない。今では、正当な行為にまでハラスメントだと主張する、「ハラハラ」という言葉まで出てきているという。こちらは「ハラスメント・ハランスメント」の略で、正当な行為に対してハラスメントと主張する嫌がらせ行為を意味するという。ここまでくると何がハラスメントで、何に注意を払えば良いのか、本当にわからなくなってくる。

 

 ハラスメントにならないよう周囲に気を配るのは当然だが、それが行き過ぎてしまえば、かえって世の中にマイナスになるのではないか。記者という職業柄、冷静な眼で見つめていきたい。

 

( 横井 )

 

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