記者の眼記者の眼

第246回 (2024年5月22日)

 先日、3月分の都市ガス料金請求が契約先の楽天エナジーから届いた。請求額は税込みで22,995円。都市ガス各社が毎月のガス料金改定のプレスリリースで公表する「標準家庭の料金」のざっと4倍の金額である。

 

 都市ガスの請求金額が高いのは、それだけ都市ガスを消費しているからだ。3月の都市ガス使用量は146立方メートル。標準家庭が想定している月間30立方メートルを大幅に上回る。ちなみに楽天エナジーはガス供給において東京ガスの取次代理店という位置づけで、東京ガスと同じ料金を適用している。

 

 我が家は冬にガス床暖房をフル活用する。ガス床暖房は眠気を誘うような心地よさを享受できる半面、都市ガス消費量を一気に押し上げる。我が家の場合、ガス床暖房を使う冬と使わない夏でガスの使用量は7倍開きがある。過去に取材したある都市ガス会社の担当者は、ガス床暖房のことを「ガス消費マシーン」と表現していた。

 

 翻ってガスの国際指標となる蘭天然ガス(TTF)市場の先物価格をみると、手前の6月物から先の20252月物にかけて価格が限月ごとに高くなる順ザヤ(コンタンゴ)をきれいに形成している。このコンタンゴは冬の需要期に備えて、ガスの備蓄を市場が促しているサインともいえる。

 

 些細な例とはいえ、自分の都市ガス消費量の例をみても、夏場の先物市場が順ザヤを形成するのはうなずける、と感じた。

 

( 山本 )

 

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