記者の眼記者の眼

第206回 (2023年8月2日)

 日々の締めくくりにお酒を頂き続けて30年以上が経つ。毎日の疲れや興奮を鎮めてくれるだけではなく、美味しさに惹かれて、このところはもっぱら芋焼酎を嗜んでいる。もはや美味しい芋焼酎を呑むために、日々の業(わざ)に取り組んでいるともいえる始末である。芋焼酎も最近では、香り系と呼ばれるフルーツや花の香りのするお洒落な銘柄が一大ブームを巻き起こしており、それはそれで美味しい。しかし私は、どちらかといえば伝統的などっしり系、しっかり芋の匂いのする焼酎が気に入っている。

 

 その芋焼酎だが、昨今は地球温暖化防止対策に向けた取り組みの有望株の一つとして注目を集めている。これまで廃棄していた芋焼酎の製造過程で発生する芋くずと焼酎粕を発酵させ、発生したバイオガスを使い発電するとともに、エタノール燃料を製造し二酸化炭素(CO2)の排出を削減する動きが進んでいる。焼酎の売上高日本一の霧島酒造は、酒蔵のある宮崎県都城市で自前の発電設備を設けバイオガス発電を手掛けるとともに、電力を自社利用する電気自動車の導入を進めている。いずれも発電規模やCO2削減の規模は小さいものの、今後、他の酒造メーカーへの広がりが見込まれる。

 

 そんな再生可能エネルギーの切り札になり得る芋焼酎だが、それほど環境に良く、地球のためになるのであれば、より積極的に頂くべきではないか。いや是非頂きたい。本日から晩酌は一杯追加することに決めよう。いや待てよ、それでよいのか。

 

(柳)

 

このコーナーに対するご意見、ご質問は、記者の眼まで 電話 03-3552-2411 メール info@rim-intelligence.co.jp