記者の眼記者の眼

第204回 (2023年7月19日)

 本格的な夏の暑さが到来した。本稿を執筆している710日の午前時点で、関東甲信はまだ梅雨明けしていないものの、東京でも午後には35度の猛暑が予想され、エアコンはフル稼働になりそうだ。東京は今夏も節電要請が出され、電力需給に対する警戒の動きは続く。

 

 仕事柄、日々の電力需給は細かくチェックしているが、2023年度に入ってから電力需要の落ち込みが激しい。46月の動向を見ても、2010年以降でいずれも最低となっている。特に2020年は新型コロナの急拡大で緊急事態宣言が発令されるなど電力需要が大きく低下したが、この46月はその年をも下回る状況だ。

 

 今年58日からは、新型コロナが5類に移行され経済活動もコロナ前に戻りつつあるものの、電力需要がここまで低下しているのはなぜか。はっきりした理由は不明だが、おそらくロシアによるウクライナ侵攻以降、電気料金が大きく上昇したことにより、企業や工場、一般家庭まで自主的な節電が進んでいることが影響しているとみられる。

 

 つまり、電気料金の明細を見て、自然発生的に節電が進んでいる可能性が高い。最近の我が家を見ても、部屋の電気はこまめに消すようになるなど、家族の中でも効率的な電気の使用が根付き始めたように感じる。節電が根付けば、金銭面の節約以外でも、CO2削減など地球環境にも良い結果をもたらすことになる。そう考えると、今回の電気料金上昇は、マイナス面だけなく、プラス要素もあったのかもしれない。

  

(本間)

 

このコーナーに対するご意見、ご質問は、記者の眼まで 電話 03-3552-2411 メール info@rim-intelligence.co.jp