記者の眼記者の眼

第198回 (2023年6月7日)

 東南アジアの生活、室内寒い?

 

 私が住んでいる東南アジアでは、友人や客を大いにもてなす習慣として室内を異常に冷やすことが多い。赤道に近い地域は室内の涼しさが快適さの象徴となり、暑さを忘れる環境の提供が他者に敬意を表する「おもてなし」として定着したのであろうか。

 

 シンガポールは、2000年より以前はオフィスビルの多くが集中冷房だった。外気は摂氏32度を超える暑さでも、オフィス内は20度に迫る「北極並みの快適さ」だった。毎日夏のような気候の中、なぜカーディガンや上着を手に持つビジネスパーソンが多いのかという着任当初の疑問は、顧客オフィスの表敬訪問を始めてまもなく氷解した。これらオフィスでは上着を羽織っても寒かった。

 

 時が経ち、シンガポールは2007年ごろに1人当たりの所得が日本を超えるなど急速に豊かになった。さすがにオフィスの集中冷房は少数派になり、オフィスごとの冷房の調整が可能になった。オフィス内の気温は2224度に「緩和された」。雨が降るか降らないかの違いの気候なのに、外の通りでは季節感を醸し出すために薄着にしたり厚着にしたりと、おしゃれな人達が汗をかきかき歩いている光景は微笑ましい。

 

 シンガポールの電力小売り市場は、日本と同様に新規参入者がこの2年で不採算を理由に軒並み撤退した。私の契約している電力料金は固定価格ベースで、1kw時あたり0.2953シンガポールドル(30.5)となっている。

 

(萩本)

 

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