記者の眼記者の眼

第192回 (2023年4月19日)

 私がリムの記者になって約1年が経った。時間は確かに流れているものの、1年が過ぎたという実感はない。気づいたら1年が経っていた―まるでそんな感覚だ。

 

 学生時代には味わったことのない感覚。なぜ時間の経過がこれほどまでに早く感じるようになったのか。以前、何かの媒体でこんな情報を目にしたことがある。年齢を重ねるとともに新しく体験することが減っていくため、脳が受ける刺激が減少するのだ、と。つまり小さい頃は体験するすべてのことに新鮮味を感じていたのに、長じることでそうした感覚が次第に失われる。そして刺激の少なくなった脳が時間の流れを早く感じるのだという。

 

 実際、時間が早く過ぎるようになったと感じている社会人は多いのではないか。一週間のうち5日を会社員として過ごし、残り2日の休日を自由に過ごすことの繰り返し。自分から意欲的に何かに取り組んでいかない限り、学生時代のように日常の変化や刺激にありつけない、と私は考えている。

 

 幸運なことに、エネルギー業界は日々の変化が激しい。私はLPGマーケットを担当しており、取材先から得る価格の変動要因も多種多様。脳が飽きを感じることがない。エネルギーの取引価格を取材し、読者に伝えることが可能な今の立場に感謝し、マーケットの変化に取り残されないように今後も取材を続けていきたい。

 

 

(徳武)

 

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