記者の眼記者の眼

第167回 (2022年10月12日)

 「○○値上げ」という言葉を最近よく目にする。在宅勤務が増えたことで、DIYの木製ベンチを造ろうと思い立ち、ホームセンターの木材コーナーを訪れたところ、DIY用ツーバイ材の値段が1年前より倍以上に跳ね上がっていて驚いた。木材用ペンキ、クッションレザーなど他の材料費を入れると、「ネットで既製品を買った方が安いじゃない」と購入を躊躇してしまった。

 

 私たちは、ものの値段が高くなると消費意欲が抑制されて商品を買わなくなる。一方、生産者側にとっては収益改善につながり、プラスの作用を及ぼす。値上げという1つの事象にも捉え方によって表と裏があることがわかる。

 

 言葉の使い方も同様かもしれない。ある事象を伝える場合、ポジティブな言葉やユーモアを交えることができれば、例え悪い内容であっても、前向きな印象を残しつつ、的確に内容を伝えることができる。しかし、ネガティブな言葉が多ければ、悪い内容がさらに際立ってしまうだろう。ポジティブな言葉を使えば、話し手の印象もアップすることになる。

 

 記者として、私自身も電話で価格情報を聞き取りする際、相手の気持ちを確かめながら、前向きな言葉で話しかけることを常に心掛けている。相手の心が弾めば良好な関係を保つことができ、良い情報を得ることができるだろう。電話取材は相手の顔が見えないのがネックだが、好印象を与えるためポジティブな喋り方は大事なポイントと思っている。

 

(方)

 

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