記者の眼記者の眼

第138回 (2022年2月24日)

 先月、引越しをしたのだが、新居には天井照明が付いておらず、自分で用意する必要があった。デスクライトがあるので、「しばらくは天井照明が無くてもなんとかなるだろう」と思い、照明を買うのを後回しにしてしまった。これがいけなかった。

  

 荷物が片付いたころ、夜を迎えた。デスクライトを点けたのだが、照明の性質上一点集中でしか明るくならないため、刑事ドラマの取調室のような雰囲気になってしまった。蝋燭を持っていたので灯してみたが、これもあまり頼りにならない。心もとない灯りの下ではできることは少なく、その日はまるで小学生かのような早い時間に床に就いた。

 

 今回の引越しで、いかに天井照明が便利かを痛感することになった。そして、天井照明のような広範囲を照らす器具が普及したことで、私達は夜でも活動することができるようになったのだとあらためて実感する。火やランプが光源だった時代、夜にできることは限られていたと思う。今では、都会の夜の街は昼間のように明るい。

 

 多くの人が夜でも不自由なく生活できるのは、照明はもちろんのこと、一日中安定的に電気が供給されるからでもある。当たり前と思っているが電力の安定供給は有り難いことだ。

 

 この冬は電力需要が逼迫している。照明を消してみても節電で貢献できることは少ないかもしれない。ただ、たまには照明を消して蝋燭を灯し、電気の有難みを感じてみてはいかがだろうか。

 

(原)

 

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