記者の眼記者の眼

第124回 (2021年8月4日)

 

 新型コロナウイルスによるテレワークが長引き、コロナ以前とは大きく変化した状況を余儀なくされている。コロナが収束しても以前と全く同じ生活に戻るとは考えにくく、今後の世界がどうなるのか不透明だ。今回のパンデミックが歴史の大きな転換点であることは間違いないだろう。

 

 エネルギー業界も然り。米国ではグリーン化を推し進めるバイデン政権に変わり、世界が脱炭素に向けて動きだしている。EUや日本も2030年半ばにはガソリン車の販売禁止の方策を打ち出し、環境対策のためにクリーンエネルギーへのシフトを進めている。

 

 ただ、コストやインフラなど難問が山積している。きれいごとだけでは済まされず、実現には時間がかかると思われる。実際、電気自動車のリチウムバッテリーも安全面で改善の余地があるようだ。運転するものとしては慣れ親しんだガソリン車を好ましく思ってしまう。また、化石燃料は二酸化炭素を排出し地球温暖化の原因とされているが、コストが安く、エネルギー効率も良いといったメリットがある。すべて悪者扱いするのも抵抗がある。

 

 私自身はリム情報開発で、長年、原油市場を担当しており、化石燃料に愛着もある。また、相場は生き物で、日々変化するマーケットで新たな発見があり面白いと思う。現在はエネルギーの面でも世界情勢の上でも、大きな岐路に立たされている。これからの世界がどうなっていくのか、記者としても変化をしっかり見届けたい。

 

 

(高木)

 

このコーナーに対するご意見、ご質問は、記者の眼まで 電話 03-3552-2411 メール info@rim-intelligence.co.jp