記者の眼記者の眼

第116回 (2021年4月7日)

 47日は鉄腕アトムの誕生日だという。私は手塚治虫作品に中学~高校時代にかけてはまり、「ブラックジャック」「火の鳥」「リボンの騎士」「ブッダ」「アドルフに告ぐ」「陽だまりの樹」など図書館にある手塚作品を片端から読んでいた。ところが手塚治虫の代名詞ともいえる「鉄腕アトム」は読んだこともアニメを見たこともなかった。

 

 先日、たまたま第1話を視聴する機会があった。その中でアトムが、エネルギーの切れた他のロボットに自分のエネルギーを分け与える場面があった。しかし、アトムがどのように動いているのか第1話では明かされなかった。そこで手塚プロの公式サイトで調べると、アトムは原子力エンジンを動力源として動いているらしい。

 

 原子力を利用するものといえば原子力発電がある。原発はウラン235を核分裂させたときに生じる大量の熱エネルギーを利用した発電方法だ。仮にウラン1グラムをすべて核分裂させたとすると、生じるエネルギーは石油由来のものに比べはるかに大きい。原発はこの膨大な熱エネルギーを利用し、タービンを回すことで発電している。発電の際に二酸化炭素を排出しないので「クリーン」ともいえるが、もし事故が起きればクリーンどころではない。私たちはよく知っている。

 

 ただ、アトムは原子力発電のようには動いていないらしい。どんな風に描かれているのか、実際に読んでみねばならない。今度の週末は図書館に鉄腕アトムを読みに行こうと思う。

  

(原)

 

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