記者の眼記者の眼

第241回 (2024年4月17日)

 リムの記事には日刊などの定期的な発刊紙と速報性を重視したマーケットニュースなどがある。この速報性についてこのところ思い悩むことがある。

 

 巷にはネットニュースが溢れ返っている。リムが取り扱うエネルギー情報でさえネット検索すれば膨大な量の記事が引っ掛かる。特に脱炭素関連のキーワードではニュースの羅列だ。

 

 すでに出回っている膨大な量の情報に押しつぶされそうになることがある。先を越されている、追いつかないと、といった焦りに見舞われることもある。たとえ後追い取材であったとしても、丁寧な取材で切り口を変えて読者に新たな視点で伝えようと気持ちを切り換えて記事を書く。時々、それでいいのだろうかと煩悶する。ネットなどの他媒体に上がる情報に後れを取らないようにすることがアンテナを張ることになるのだろうか。適切な情報取得の方法なのだろうか、と。ただ、自分たちだけの力では集めきれない情報を見つけ出し、重要だと判断した出来事を紐解くひとつの契機にはなると、自分を納得させる。

 

 2014年にスタートした「記者の眼」の1回目で取材の仕方について書いた。「百人百様の取材相手、十人十色の記者と、様々な人間模様の中で情報は飛び交うものだろう」みたいなことを。あれから10年。情報取得が人と人との結びつきからだけでは得にくいものになっているのかもしれない。それでもこれがリムの強みだと今でも強く思う。

 

( 盛 )

 

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