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第81回 (2019年11月27日)

 “One word. Plastics” ― 主人公ベンが、自宅で開かれた卒業記念パーティーで父親の知人と思しき年輩男性から受け取ったメッセージだ。1967年制作の米国映画「卒業」の中、ベンは名門大学を出たばかりの若者という設定。作品の冒頭で就職先として推奨されたのがプラスチック産業ということになる。合成樹脂は21世紀の今、世界に広く浸透し、多種多様な便益を我々に提供している。件の助言には先見の明があった。

 ところが人々の見る目は昨今、非常に厳しい。プラスチックゴミが世界中の浜や川などを侵し、景観の破壊や環境汚染をもたらしている。さらに細分化されたマイクロプラスチックが大海に広がり、食物連鎖を通じた人間への悪影響が懸念されるという。

 その責めは結局、人間にある。利用方法を誤り、様々な関係規制の設計やその運用に慎重さを欠いたと言えよう。

 一方、将来有望な産業として再生可能エネルギーが現在、勢いを付けている。しかし、残念ながら問題は芽生えているようだ。例えば、太陽光パネルの廃棄物。日本でも促進策導入の兼ね合いから、将来のある時期に、有毒物質を含む大量のパネルが不適切に廃棄される危険性があるという(参照クリック)。プラスの側面ばかりでなく、マイナスの要素についても十分な目配りと具体的な行動が必須であるらしい。関係者にとっては費用などハードルが高くなるかもしれないが、再エネを是非、慎重かつ大切に育成していただきたい。

(戸塚)

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